ステップ4:AirPlayエミュレーター『Shairport』のインストール
AirPlayを実際に動作させるために『Shairport』というソフトウエアが必要です。設定には少々時間が掛かりますが、難しいことはありません。しかし、たくさんの付随するソフトウエアをダウンロード、インストールするために30分は必要でしょう。
まず下準備として、いくつかソフトウエアをインストールします。ターミナルで、次のコマンドを実行します。
sudo apt-get install git libao-dev libssl-dev libcrypt-openssl-rsa-perl libio-socket-inet6-perl libwww-perl avahi-utils libmodule-build-perl
しばらくの間、待ちましょう。処理が終了したら、ShairportがiOS 6でも動作するように、iOS 6用モジュールのインストールを行います。
git clone https://github.com/njh/perl-net-sdp.git perl-net-sdp
cd perl-net-sdp
perl Build.PL
sudo ./Build
sudo ./Build test
sudo ./Build install
cd ..
モジュールのインストールが終わったら、いよいよShairportの番です。ホームディレクトリから、次のコマンドを実行します。
git clone https://github.com/hendrikw82/shairport.git
cd shairport
make
Shairportを起動します。
./shairport.pl -a AirPi
このコマンドにより、「AirPi」という名前のShairportプロセスがRaspberry Pi上で実行されます。ちなみに名前は変更可能です。
iOSデバイスの音楽アプリで、AirPlayボタンをタップしてみましょう。出力デバイスとして表示された「AirPi」ボタンをタップすると、2秒程度で、USBサウンドカードから音楽がストリーミングされ始めます。
でも、まだ終わりではありません。Raspberry Piの起動時にShairportは自動で読み込まれません。それにキーボードやモニターなしでAirPlayを動作もさせたいので、もう少し作業が必要です。ホームディレクトリから、次のコマンドを実行します。
cd shairport make install cp shairport.init.sample /etc/init.d/shairport cd /etc/init.d chmod a+x shairport update-rc.d shairport defaults
Shairportを起動項目に追加するために、次のコマンドを実行します。
sudo nano shairport
編集対象のShairportファイルが開くので、「DAEMON_ARGS」行を見つけて、次のように変更します。
DAEMON_ARGS="-w $PIDFILE -a AirPi"
「Ctrl+X」キーで変更を保存すれば、すべて完了です。これでShairportは、Raspberry Piを起動するたびに自動で立ち上がります。USBサウンドカードとWi-Fiアダプタが取り付けられてさえいれば、Raspberry Pi単体でAirplayのレシーバーとして機能するようになりました。
今後はRaspberry Piの電源を入れ、起動するのを待つだけです。OSが起動すると(通常30~40秒ほど掛かります)、Raspberry Piで音楽をストリーミングできます。
以下でRaspberryを使った他のプロジェクト記事をまとめてありますので、ぜひトライしてみてください。
Thorin Klosowski(原文/訳:風見隆、合原弘子/ガリレオ)